Office ProPlus を展開しよう! ~設計編①~

皆さんこんにちは、Miyaです。

Office365 E3ライセンスに含まれている「Office ProPlus」の展開にあたって考慮しなければならないポイントを押さえてみました。
Office ProPlusはこれまでのmsi実行形式ではなく、クイック実行形式(C2R)と呼ばれる形式に変更されました。

この変更に伴って、Officeの更新の仕組みが大きく変更されます。

従来では、Microsoft Updateから更新プログラムがKB番号で配信され、企業ではWSUSから端末に配信するのが一般的でした。

しかし、C2R形式では従来の更新概念を取っ払い、1GB~2GB程の最新イメージファイルがMicrosoft Updateから配信されます。

Office ProPlusの更新プログラムはWSUSから配信できないため、組織内にSCCM(System Center Configuration Manager)を導入して更新管理するか、ファイルサーバーまたはWebサーバーに更新プログラムを配置しなければなりません。

Title:Office365 Client Updates via WSUS
https://blogs.technet.microsoft.com/wsus/2016/04/13/office-365-client-updates-via-wsus/

また、2020年にはOffice365のサポートポリシーを、「Office ProPlus または メインストリームのOfficeからの接続しかサポートしない」と発表しており、Office ProPlusの導入を検討されている企業も多いです。

Title:2020 年に Office365 システム要件変更~接続できる Office クライアントのポリシー変更
https://blogs.technet.microsoft.com/mpn_japan/2017/04/22/office-365-system-requirement-change-in-2020/

これらの変更は非常にやっかいなのに、Office365のサポートポリシーの発表もあってか、大ブーイングですね。

しかし、導入せざる負えない状況の場合、展開方針や更新管理を管理者側でキチっと設計する必要があります。
本記事では、Office ProPlusを導入するにあたり、設計すべきポイントを纏めた記事になります。

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既存Officeクライアントの取り扱いについて

上述で説明した通り、Office ProPlusはインストール形式が異なります。

従来のボリュームライセンス版Officeでは、異なるバージョンの製品を同一端末にインストールすることはサポートされておりません。

しかし、C2Rではインストール形式が異なるため、MSI形式のOffice製品と共存がサポートされました。

Title:同一コンピューター上に異なるバージョンの Office、Visio、Project をインストールするためのサポート対象シナリオ
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt712177(v=office.16).aspx

組織内でOffice 2010を展開していた場合、マクロやサードパーティのアドインを使った運用しているケースが多くあり、C2Rへの切り替えは避けたいなんて要望があった場合に、この共存は有り難いです。

しかし、上述のような特別な理由がない限り、共存環境はなるべく避けましょう。

これは、C2RとMSIのレジストリ位置が共有されているためです。
例えばOutlookのプロファイル情報はバージョンが異なっても、参照するレジストリキーは同一です。

普段はOutlook 2016を使用しているのに、誤って旧バージョンを起動してしまった場合、旧バージョンがレジストリキーを占有することで、改めてOutlook 2016を起動するとエラーが発生します。

その他、Word、Excel、PowerPointでも旧バージョンのコンポーネントやモジュールを読み込んでしまったが故に起動時にエラーが発生する事象もよく耳にします。

共存させるのであれば、異なるバージョン間で製品が重複しないように除外された状態でインストールを行いましょう。

展開方針を考えよう

まずは、C2Rのイメージ形式を端末にインストールする方法を選定する必要があります。

Office ProPlusの展開方法は主に3つあります。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、環境にマッチした方法を選択しましょう。

Microsoft CDNからの展開

Office365のポータルサイトからダウンロード・インストールする方法です。
または、クライアントからOffice展開ツールを使ってダウンロードも可能です。
Office ProPlus

MicrosoftはCDN(content delivery network)データセンターが欧米・ヨーロッパ・アジアなどに配置されています。

Office365ではCDNからサービスを提供することで遅延を回避しており、Office ProPlusのダウンロードもCDN経由でダウンロードされます。
Office ProPlus

メリット

メリットは管理者側の準備工数が発生しない点です。後に紹介するファイルサーバーやSCCMなどのシステムを利用した展開では、資源の用意や、別途設計する箇所が必要になりますし、検証項目も増えるでしょう。

この方法は、ユーザー側がポータル画面からワンクリックするだけですので、非常に楽ちんですね。

デメリット

デメリットはやはりインフラ環境への高負荷ではないでしょうか。

インストール対象の端末の数によりますが、全員が企業NWの出口からInternet経由から数GBのインストールファイルをダウンロードするため、帯域が圧迫される恐れがあります。

そのため、この展開方法は小規模な拠点や、WANが敷かれていない拠点に対してのみ有効な方法かと思われます。

あまりエンタープライズ向けの方法ではございません。

ファイルサーバー、Webサーバーからの展開

組織内で管理しているファイルサーバーやWebサーバーにOfficeインストーラーを配置する方法です。
Office ProPlus

先の方法とは異なり、組織内にOfficeインストーラーを配置するため、端末がインストールのためにInternetへ出る必要がありません。

メリット

メリットはInternetに出ないことから、Microsoft CDNからの展開と比較すると、NW環境への負荷が低減される点が挙げられます。

クライアント⇔Officeインストーラーが組織内NWに限定されるため、LAN内で完結されます。

複数拠点が存在する場合、各拠点毎に適当なファイルサーバーに配置するだけで済みますので、比較的工数もかかりませんし、共有フォルダがあれば展開できるため、費用も抑えれます。

Webサーバー(IIS)であれば、帯域制御が可能なため、ある程度計画された展開も可能となっております。

Title:帯域幅を調整する
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc338141.aspx

デメリット

デメリットは、配置サーバーの用意や、各拠点への配置などを考えると、Microsoft CDNからの展開より比較的工数が発生する点が挙げられます。

また、SCCMでの展開ではより詳細に計画された展開が出来るのに対して、この方法では帯域制御ぐらいが精一杯です。

よって、小規模~中規模向けの組織、または拠点向けを想定した展開方法となります。

SCCMからの展開

Microsoftが提供するSCCM(System Center Configuration Manager)から、Officeインストーラーを配信する方法です。

SCCMとは、コンピューターやモバイルなどのクライアント端末を管理する資産管理のソフトウェアです。
既存環境にSCCMが導入されているのであれば、この方法を推奨します。

SCCMには配布ポイントと呼ばれる、クライアント向けにパッケージを配信するサーバーと、管理操作を行うマネージャーから構成されます。
Office ProPlus

MicrosoftのダウンロードサイトからSCCMの自習書が配信されており、Office ProPlusの配信・更新管理手順の自習書が公開されています。

Title:Enterprise Mobility + Security
https://www.microsoft.com/ja-jp/cloud-platform/products-Enterprise-Mobility-Suite.aspx

メリット

SCCMではコンピューター・ユーザーを制御することができ、どのコンピューターが、どの配布ポイントから、などといったインストールの制御が可能です。

さらに、更新管理にフォーカスを当てると、ファイルサーバー・Webサーバーからの展開方法では、更新プログラムを毎月ダウンロード・配置する必要があるのに対して、SCCMでは自動展開規則を利用することで、これらのプロセスを自動化できるなど、更新にメリットが多いです。

デメリット

デメリットは、なんといってもライセンス・導入費用が高価な点です…。

とはいえ、Office ProPlusの更新管理も非常に簡易になりますし、WSUSの更新時期と被っているのであれば、導入検討したいところです。

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