Exchange Onlineで会議室/備品を導入する際の検討すべきポイントを紹介 ~アクセス権とポリシー~

皆さん、こんにちはMiyaです。

Exchange Onlineの会議室や備品などの「リソースメールボックス」は、追加ライセンスを必要となしないため、無料で構成出来る魅力的な機能です。

ですが、おしいところに手が届かないMicrosoft。何やかんやでサードパーティのシステムを採用するお客様も多くいらっしゃいます。

とは言っても無料の機能ですので、出来る限りExchangeの会議室システムを導入したいところではあるので、本記事では前回の記事に引き続き、導入する際のポイントを考えましょう。

前回は、アドレス帳での見せ方を中心としてましたが、今回はアクセス権や会議室ポリシーについて触れていきます。

是非、本記事を参考にExchangeの会議室システムの導入を検討してみて下さい。

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Exchangeのアクセス権について

Exchangeのメールボックスはアクセス権をによって見え方が異なってきます。例えば、メールボックスを新規作成後、その予定表を開くと”予定あり”としか表示されません。

set-calendarprocessing

これはこのユーザーが、開いている予定表のメールボックスに対するアクセス権が不足しているために詳細な予定情報が参照することが出来ない状態です。

上記の動作はリソースメールボックスでも同様で、既定では”予定あり”としか表示されません。

これでは会議室に登録されている会議の内容をだれも知ることは出来ませんので、アクセス権を変更してあげる必要があります。

予定表のアクセス権を変更する

GUIではメールボックス全体に対するアクセス権のみしか設定することが出来ません。

本設定のような予定表フォルダーのアクセス権のみを変更する場合はPowerShellからコマンドを実行する必要があります。

既定のアクセス権変更にはSet-MailboxFolderPermissionコマンドで実行します。
Set-MailboxFolderPermission

変更する前にGetコマンドで既定のアクセス権を確認をしてみると”AvailabilityOnly”、つまり空き時間情報しか取得できないので、結果的に”予定あり”としか表示されなかったのです。
set-mailboxfolderpermission

ここのアクセス権はLimitedDetailsもしくはReviewerを設定しておき、利用者に予定の情報を公開しておくのが一般的です。

利用者が会議室の予定表を開いても”予定あり”だけだと、「この会議室で何の会議が行われるのか」が不透明であり、円滑なコミュニケーションの阻害要因になるのではないでしょうか?

それでは下記コマンドを実行して、”既定”にReviewerを付与してみましょう。

補足情報ですが、”<メールアドレス>:\calendar”のCalendar部分はフォルダー名を指しているのですが、メールボックスに指定される言語によって名称が異なります。
Set-MailboxRegionalConfiguration

既定は英語表記なのでCalendarですが、別途言語設定をしている場合は、フォルダ名も併せて変更されます。(リソースメールボックスに言語設定するケースは稀ですので、意識する必要はありませんが…)

ちなみに、Add-MailboxFolderPermissionコマンドで新たにアクセス権を追加可能ですので、部署単位などで使える会議室を分けている場合は、公開したいユーザーが含まれるセキュリティグループを対象にアクセス権を追加したりなんかが出来ます。
Add-MailboxfolderPermission

予定表フォルダーにReviewerを与えると、予定の詳細が参照できます。ダブルクリックすると、予定の詳細を確認出来ますが、編集しようとすると勿論怒られます。

予定の代行削除人を設定する

会議室を利用する中でよく話を聞くのが、「会議室を予約したあとにキャンセルしたけど、会議室の予定表に残っちゃってる」とかとか、何かしらの要因で会議室の予定アイテムが残留してしますケースです。

たまにどんな予約の仕方をしたんだ?と疑問に思うケースもあったりなんかしますね。

そんな時、Exchange管理者が予定を削除してあげる必要があるのですが、Reviewer権限ですと編集および削除が出来ないため、DeleteAllItemsもしくはEditorを付与しておきましょう。

会議室の予定を右クリック→削除で会議をキャンセル出来ます。

add-mailboxfolderpermission

開催者や出席者には代理人が会議を辞退した旨のメッセージが送信されます。分かりよいですね。
add-mailboxfolderpermission

と、こんな感じで予定の削除が可能となります。予め設定しておくと便利でしょう。

CalendarProcessingの構成

さて、次はリソースメールボックスに設定するポリシー部分になります。

Exchangeのリソースメールボックスでは、Set-CalendarProcessingコマンドで細かなポリシー関連を構成出来ます。
Set-CalendarProcessing

リソースメールボックスのデフォルトでは以下のような構成となっております。

get-calendarprocessing

余談ですが、コマンドで会議室を新規作成した場合は、何故かAutomateProcessingがAutoUpdateになります。
また、テナントによってはGUIで新規作成した場合にもAutoUpdateになるケースがあります。不思議ですね。

AutomateProcessingがAutoAcceptのため、会議出席依頼の開催日程などの内容が、構成されているポリシーに違反しない場合は開催者に自動承諾、違反している場合は自動辞退する動作となります。

set-calendarprocessing

さて、上図の単純なフローでは運用するには難しい会議室があるかと思います。

例えばですが、
「出席依頼を特定のユーザーだけにしたい」
「代理人による手動承諾がしたい」
「ポリシー外予約を代理人経由で手動承諾したい」などなど…

これらをSet-CalendarProcessingで構成していきましょう。

BookInPolicyによる利用者の限定

BookInPolicyについては、以前の記事でご紹介済みです。
Exchange Online 会議室への予約依頼を特定ユーザーに限定する方法

BookInPolicyは会議室への出席依頼を特定の利用者に限定させる際に設定します。

BookInPolicyでは自動承諾の会議出席依頼に対して利用者を限定することから、代理人承諾などの手動承諾の会議出席依頼には関連しません。

既定では、すべてのユーザーからの出席依頼を許可するAllBookInPolicyがTrueとなっているため、これをFalseに設定し、BookInPolicyで出席依頼を許可するユーザーを指定する必要あげます。

BookInPolicyにはカンマ区切りで複数のバイネーム指定が可能ですが、運用面でのメリットを考え、セキュリティグループにしておくのが一般的です。

BookInPolicyに指定されていないユーザーが出席依頼を送信すると、即辞退となり、BookInPolicyに指定されているユーザーはポリシーに基づき自動承諾/辞退が返答されます。

Set-CalendarProcessing

応接室や大人数が収容できるホールなどは本設定で予約制限しておくのが良いでしょう。

代理人承諾

代理人承諾とは、BookInPolicyのような自動承諾とは異なり、代理人が手動で承諾/辞退を返答するフローです。
★開催者側
Set-CalendarProcessing
★代理人側

通常、開催者が出席依頼を送信すると予約アシスタントが自動承諾/辞退を行いますが、承諾/辞退を代理人に委任しています。

Exchange管理コンソールから、メールボックスの編集メニューから代理人を設定出来ます。

Set-CalendarProcessing

PowerShellで設定する場合は、以下のオプション構成になります。

尚、代理人経由の構成にしてもポリシー外の出席依頼は引き続き自動辞退となります。
Set-CalendarProcessing

代理人承諾を特定の利用者に限定する

ここから少し応用編になります。代理人に会議出席依頼を送信できる利用者を限定する方法になります。

GUIでは構成出来ないため、PowerShellからコマンドを実行する必要があります。

基本的にはBookInPolicyと同じ要領です。AllRequestInPolicyをFalse、RequestInPolicyに許可するユーザーを指定します。

RequestInPolicyに指定されていないユーザーは代理人に出席依頼を送信することが出来ません。
RequestInPolicy

尚、本設定を投入した後、Exchange管理コンソールから会議室のステータスを確認すると以下のようになります。

RequestInPolicy

これはGUIでは出来ない設定を投入した場合に、表示される隠しラジオボタンです。

この状態になると、GUIからでは予約代理人がグレーアウトされているため、今後の代理人変更もPowerShellから行う必要があります。

作成方法が複雑になるので、あまり構成したくはないフローですが、数少ない特別な会議室にはご検討ください。

ポリシー外予約の制御

さて、最後に紹介しておくのがポリシー外予約の制御についてです。

これまで説明しておきたフローでは、ポリシー外予約は予約アシスタントによって自動辞退されていました。

ポリシー外予約を自動辞退させずに承諾するには、代理人による手動承諾が必要になります。

よくあるケースを例に挙げると、「通常は予約アシスタントによる自動承諾にしておいて、ポリシー外予約は代理人による自動承諾/辞退とする」なんかの場合は以下のコマンドで構成可能です。

上記のコマンド設定後、ポリシー外予約を送信すると、下図のように代理人に転送されます。

RequestOuOfPolicy

これまでと同様にRequestOutOfPolicyでグループもしくはユーザーを指定することで、範囲を限定することも可能です。

ここまで凝った設定をされる方は少ないですが、実は細かく設定できることを理解しておきましょう。

会議出席依頼が保持するデータ

見出しタイトルだけみると「?」ですね。これは、リソースメールボックスが受信した会議出席依頼の扱いに関する設定内容となります。

会議出席依頼には、「件名」、「本文」、「添付ファイル」で構成されており、これらは既定で削除するように設定されています。

試しに、件名、本文、添付ファイルを付けて会議出席依頼を送信します。

DeleteAttachment

承諾後、会議室に登録された予定アイテムをダブルクリックで覗いてみると…

DeleteAttachment

ご覧の通り、既定は削除される設定のため、詳細情報が欠落している状態になります。

これで良いのであれば構いませんが、詳細情報を利用者に公開したい場合はFalseに設定しましょう。

詳しい内容や設定手順についてはExchange Online 会議室の予定アイテムに「件名」が表示されないをご参照ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか?2部に分けて会議室予約について掲載しましたが、Exchangeの会議室システムも工夫次第で使えるモノになることがお分かりいただけたでしょうか?

グローバルな大企業のテナントであれば、拠点や会議室の量が多いためにExchangeで賄うのは難しい面があるとは思いますが、中小規模であれば無料の会議室システムを積極的に検討すべきだと私は思います。

会議室システムの選択肢からExchangeを外してしまった方々も、本記事をご参考に再度ご検討いただけると筆者も喜ばしい限りでございます。

それでは良いOffice365ライフをっ♪

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