Exchange Onlineで会議室/備品を導入する際の検討すべきポイントを紹介 ~命名規則とアドレス帳~

皆さんお久しぶりです。Miyaです。
最近は仕事が忙しくなってきたこともあり、あまり記事を更新出来ませんでした…。

さて、今回はExchangeが提供するサービスのひとつである会議室/備品の予約機能を導入するにあたって検討すべきポイントを纏めてみようと思いました。

本記事は第一弾として、利用者の使いやすさを考えた命名規則や、アドレス帳の管理についてを記載しています。

「これから会議室予約にExchangeを使ってみよう!」という方々がいらっしゃれば、本記事を検討材料として持ち帰っていただければと思います。

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はじめに

「Exchange Serverの会議室予約とは?」といったところをおさらいしておきましょう。

簡単にわかりやすくお伝えすると、組織に実在する会議室または備品をExchange Serverにメールボックスとして作成し、利用者は会議室/備品メールボックスに対して施設予約する機能です

会議室/備品であろうとも、一般的なメールボックスとして作成するため、メールの送受信が行えるオブジェクトとなります。ただし、このメールボックスにはライセンスは消費されません。

Exchangeの会議室/備品は管理コンソールもしくは、PowerShellからコマンドで簡単に作成できます。

会議室作成

PowerShellからはNew-MailboxコマンドにRoomオプションを付与すると、会議室メールボックスとして作成されます。
Title:New-Mailbox
Title:会議室メールボックスの作成と管理

会議室/備品はメールボックスとして作成されるので、その他のメールボックスと同様でアドレス帳に表示されますが、会議室はドアアイコン、備品はプロジェクター(?)アイコンで表示されます。

作成~利用までの手順はかなり簡単ですが、会議室を作成するにあたって重要なポイントが利用者への見え方です。

例えば、会議室や備品が比較的多い組織の場合、でたらめなルールで作成してしまうと、目的の会議室を予約するのに苦労するでしょう。

なぜならば、ExchangeのGAL(GlobalAddressList)と呼ばれる組織アドレス帳はお世辞に美しいものとは言えず、検索性能が低いために、会議室に限らずその他メールボックスや連絡先を利用者が検索するのが難しいためです。

この使い勝手の悪いアドレス帳のおかげで、目的の会議室を探すのにも一苦労です。

これは会議室/備品に限った話ではなく、ユーザーの連絡先情報を探す際にも同じことが言えます。

そんな時、会議室・備品を利用者が予約するときに、どうやって探させようか?を考察していくのが本記事の趣旨です。

それでは早速、利用者目線で会議室/備品をふりかえり、どのような設定・案内が実現的かを探していきましょう。

アドレス帳の検討

Exchangeで会議室/アドレス帳を利用するにあたって一番重要なのが利用者への見え方です。

ExchangeのGALの検索性能を理解した上で、会議室/備品をどう命名するかを検討すべきだと思います。

すでにExchangeを利用している方々はご存知とは思いますが、Exchangeのアドレス帳は階層型アドレス帳を構成することや、カスタムアドレスリストを作成することが出来ます。

こーいった機能を利用して利用者の利便性を追求していきましょう。

OutlookのGAL検索について

冒頭でも申し上げた通り、ExchangeのGALをエンタープライズ向けに利用するには精度が悪過ぎます

これは昔からみたいで、ユーザーの声も届いているはずなのですが、あまり驚異的な進歩ないようで、サードパーティのアドオンを選択するお客様も多いです。(がんばれMicrosoft!!)

少し話はそれますが、Exchangeのアドレス帳には二つのアドレス形態が存在することをご存知でしたか?

Outlookをキャッシュモードとして利用している場合、Exchange Serverからアドレスデータをダウンロード、キャッシュします。これをOAB(OffilineAddressBook)と呼んでいます。
オフラインアドレス帳 (OAB) について【前編】ダウンロードに関する機能
オフラインアドレス帳 (OAB) について【後編】Outlook の参照先

それに対して、GALのようにサーバーにあるアドレス帳データを直接参照するアドレスをオンラインアドレス帳?(適当)と呼ぶのでしょうか。まぁ総称してGALと呼ぶことが多いですが。

キャッシュモードでは、サーバーのメールやアドレス帳データをローカルにキャッシュすることから、サーバーとクライアント間のトラフィックが削減され、パフォーマンスの向上が狙えます。

GlobalOfflineAddressを右クリック→プロパティから見てみると、ローカルのデータを参照していることが分かります。

オフラインアドレス帳

トラフィックが削減される反面、アドレス帳の情報が最新ではないのがデメリットとしてあります。
サーバー側でのOAB更新後、次にクライアント側で24時間ごとにOAB更新のタスクが実行され、ようやくローカルのOABが更新されます。

また、Exchange Onlineではサーバー側のOAB更新タスクが1回/24hであるため、最大48時間要します。

で、このOABとGALでアドレス帳のソート順が異なるのがExchangeの不思議なポイントです。

OABの場合、フリガナ順でソートされ、[名前のみ]の検索ボックスではフリガナ検索となります。
フリガナが設定されていない場合は表示名検索と、かなり煩雑なため、利用者にこれを案内するのは酷です。

フリガナ検索

一方で、グローバルアドレス帳などのように、サーバーにアドレス帳を参照するアドレスリストでは、[名前](表示名)順にソートされ、名前検索となります。

名前検索

上記の問題からよく使われているのが、[その他のフィールド]からフリガナやメールアドレスで検索する手法です。
その他のフィールド検索

ただ、残念なことに検索方法は前方一致であるため、会議室/備品の表示名やメールアドレスを規則に基づいて決定し、利用者から検索するキーワードを意識づけるのがいいでしょう。

例えば、下記のように前方に支社名を付けるルールにしたとしましょう。

ルール:[支社名].[会議室名]@contoso.com
例  :Tokyo.Tokyo1F-Room01@contoso.com

 

利用者には、「会議室/備品を検索する時は支社名から検索してね。」というアナウンスをしてあげれば検索もある程度は使えるようになるかと思います。

会議室と備品

もちろん表示名を使用して、日本語検索させることも可能です。

ルール:[支社名].[会議室名]
例  :東京本社.会議室101

 

会議室と備品

前方一致である検索システムを利用して、前方に拠点や支社などの情報を付与して、利用者が検索し易いよう工夫しておきましょう。

表示名やメールアドレスを検索させるのもいいですが、階層型アドレス帳やカスタムアドレスリストを構成して会議室/備品を表示してあげるべきだと考えます。

Exchangeのアドレス帳カスタマイズ機能

Exchange Serverにはアドレス帳をカスタマイズするための機能が備わっています。

会議室に限らず、アドレス帳の利便性を向上させるための画期的な機能ですので、既に利用している方もいらっしゃるかと思います。

会議室専用のカスタムアドレス帳を新規作成して、分類しておくのも良いでしょう。

カスタムアドレス帳の作成

Exchange Serverが規定で生成するアドレス帳には以下のものがあります。

  • All Contacts
  • All Distribution Lists
  • All Rooms
  • All Users
  • All Groups
  • Public Folders
  • Offline Global Address List

これらのアドレスリストは、設定されたフィルタールールに合致したオブジェクトが表示される仕組みとなってます。

Exchange OnlineにPowerShellから接続し、Get-AddressListで覗いてみましょう。
※アドレス帳関連のコマンドを実行するにはAddress Listsの権限が必要です。

会議室と備品

RecipientFilter属性に設定されている文字列は、フィルタールールと呼ばれる値で、この設定値によって表示されるオブジェクトが異なります。

フィルタールールには、ある属性とその属性値の組み合わせで記述し、それらを条件式で組み合わせ、合致したオブジェクトを表示するように構成出来ます。

例えば、既定のアドレスリストであるAll Distribution Listsでは、”Alias属性がNullでない”かつ”ObjectCategory属性がgroup”であるオブジェクトが表示されるように構成されています。

これらの規定のアドレスリスト以外に、New-AddressListコマンドで独自のアドレスリストを作成することが出来ます
Exchange Online のアドレス一覧を管理する
New-AddressList

例えば、下記コマンドを実行して会議室アドレスリストを作成してみます。

また、Containerオプションで任意のアドレスリストを指定することで、その配下にインデントを下げた状態で新規作成することも可能です。

会議室と備品

OWAでは階層表示はされないため、アドレス帳が見ずらくなるのが難点ですね。

会議室と備品

階層型アドレス帳の作成

階層型アドレス帳とは、組織の階層表現をアドレス帳に取り込み、利用者が目的のユーザーの連絡先を索引しやすく、人気のアドレス形態です。

Exchange Onlineでは階層型アドレス帳を有効化することで、組織階層に従ったアドレス帳を作成することが出来ます。

この階層型を利用して、[会議室]階層を新たに作成するのも良いかと思います。

会議室と備品

作成方法などは、「Office365 階層型アドレス帳」で検索すれば、わかりやすい記事が出てくるので、気になった方調べてみましょう。

階層型アドレス帳の作成は非常に簡単で、階層構造を配布グループで構成していくだけです。

但し、規模が大きいほどに、階層構造を構成していくのは大変ですし、管理にも多少の工数が必要になってきます。

動的配布グループが使用できれば、運用の簡易化が実現できるのですが、動的配布グループを階層型アドレス帳の配布グループとして構成することが出来ません。残念です。

また、この階層型アドレス帳のために作成した配布グループは必ず、GALに表示させる必要があります。
Office365 の共有アドレス帳でユーザーを非表示にする

階層型アドレス帳に限った話ではありませんが、アドレス帳利用のために作成した配布グループは、アドレス帳に表示させないと利用することは出来ません。

アドレス帳に意図しない連絡先情報が表示され、利用者はメール送信の宛先に選択することが出来る状況になります。

会議室と備品

好ましくない状況ですので、管理者は予め配信制限やメンバーシップの承認を配布グループに設定しておきましょう。

会議室と備品

会議室と備品

便利なアドレス機能なんですが、初回構成とメンテナンスに工数が掛かる点と、Outlookクライアントからしか利用できないのが難点です。

便利なんですけど、おしいんですよね…。

会議室一覧グループの作成

意外と使われていないのが会議室用の配布グループです。

会議室一覧配布グループとは、会議室メールボックスのみをメンバーとして追加できる、特殊な配布グループです。

会議室一覧配布グループはその名の通り、メンバーである会議室を一覧化することで、検索性を高める機能です。

Outlookであれば、新規会議を開催する際のスケジュールアシスタントから会議室一覧配布グループを指定出来ます。

会議室と備品

また、デスクトップ版OWAやモバイル版OWAからも会議室一覧配布グループを参照出来るため、外出中のモバイル端末からの会議室予約がスムーズになるのではないでしょうか。

会議室と備品

会議室と備品

会議室と備品

ちなみに、OWAの場合はスケジュールアシスタントでなくても、[場所または会議室を追加]から選択可能です。

会議室と備品

ただ、OWAから会議室一覧の会議室を選択する場合、一つの会議室しか選択できないため、複数会議室の予約や備品を合わせて予約する際、アドレス帳から選択、検索する必要があります。

会議室と備品

作成方法は簡単で、会議室一覧配布グループを作成後、一覧化したい会議室をメンバーとして追加するだけです。
会議室一覧配布グループを作成する

但し、会議室一覧配布グループとして作成した配布グループは、Exchange管理コンソールから表示されず、GUIでの編集が不可です。そのため、作成~編集・削除などの全ての操作をPowerShellから行う必要があります。

また、会議室一覧配布グループを利用するにあたっての注意点として、備品メールボックスを会議室一覧配布グループに入れることは出来ない点が挙げられます。

備品も会議室一覧から選択させたい場合は、会議室オブジェクトとして作成しましょう。

会議室と備品の違いについては、今のところアドレス帳に表示されるアイコンぐらいだと思いますので、オブジェクトの統一をしたところで影響はないかと思いますし、そのように運用しているお客さんはよくいます。

会議室一覧配布グループは、階層型アドレス帳と同様に動的配布グループは使えない点と、アドレス帳利用のためのグループなため、GALから非表示とすることはできません。(非表示にした場合、会議室一覧選択から消えます。)

ちなみに、この会議室一覧配布グループのメンバーとして会議室一覧配布グループを追加できるみたいですが、利用者から階層構造で表示されるワケでもなく、現状意味のない仕様となっております。(ここが階層表示されれば便利な機能なんですが…)

OWAからも参照できる本機能は、会議室の規模によるかとは思いますが、中小程度あれば有効に利用いただけるのではないでしょうか?

まとめ

長々と話してきましたが、既定では少し残念なExchangeのアドレス帳で、会議室/備品を予約する際の案をご紹介してみました。

会議室を探すのに時間を要しては論外ですし、表示名やメールアドレスを工夫して検索性を上げる+カスタム機能を利用したアドレス帳への表示を検討してみてはいかがでしょうか。

勿論、本記事は筆者の浅い知恵の内容ですので、その他にもさまざまな検索のさせ方があるかと思います。

少し記事が長くなっちゃったので、本記事は一旦ここまでとします。次回は、会議室の詳細な設定周りやポリシーを見ていきたいと思います。

それでは、良いOffice365ライフをっ♪

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